Column / Click & Guide
クリックとガイドの作り方
実際のイヤモニの中から
バンドのライブで、マニピ(同期の音源を流す係)とイヤモニを担当しています。メンバーの耳の中でどんな音が鳴っていて、それをどう作っているのか。本番の画面を見せながら書きます。
イヤモニの中で鳴っているもの
同期のライブでは、メンバーの耳に2つの合図を流します。テンポを刻む「クリック」と、曲のどこにいるかを声で教える「ガイド」です。
どちらもイヤモニにだけ送り、客席には出しません。仕組みの全体は同期ってなに?にまとめています。
たとえばボーカルのイヤモニは、こんなバランスです。
| 大きさ | 音 |
|---|---|
| 大 | 歌、ドラム |
| 中 | ベース、同期の音、ハモ、クリック、ガイド |
| 小 | ギター |
クリックとガイドは、歌より前に出ない大きさにしています。音量は次の順番で決めます。
- いちばん音が大きいサビで、クリックが聞こえるところまで上げる
- 静かなイントロで、クリックだけが浮いていないか聞く
- 浮くようなら、音色を見直すか、静かな部分だけ下げる
ちょうどいい量は人によって違います。ドラムは大きめ、ボーカルは控えめ、と一人ずつ決めています。
クリックの音色は、小節の頭だけ変える
クリックは、鳴った瞬間がはっきりしていて、すぐ消える音が向いています。ハイハットに似た音だと、ドラムに紛れて聞こえなくなります。
小節の頭だけ高い音、ほかの拍は低い音にしています。拍を見失っても、次の高い音で戻れます。
ゆっくりした曲は、拍と拍の間に小さく音を足すと、テンポが揺れにくくなります。速い曲は逆に、細かく刻むとうるさく感じます。
音色と刻み方は、リハスタで全員で鳴らして決めます。
ガイドは「Chorus・2・3・4」で入れる
ガイドは、次の展開の名前と数を声で入れたものです。サビの直前の1小節なら「Chorus・2・3・4」。聞こえたら、次の1拍目からサビです。
数まで入れるのは、入りの瞬間を全員でそろえるためです。Chorus はサビのことです。
画面の名前と、声の名前をそろえる

画面の左には、曲の区間名が並んでいます。ガイドで読み上げる名前は、この区間名とそろえています。
| 区間名 | 意味 |
|---|---|
| COUNT | 演奏前のカウント |
| INTRO | イントロ |
| VERSE | Aメロ |
| PRECHORUS | Bメロ |
| CHORUS | サビ |
画面と耳の名前が同じなので、リハで「次の CHORUS から」と言えば全員に通じます。日本語でも、全員に通じる名前なら構いません。
どこに入れるか
全部の展開に入れると、耳の中がずっとしゃべっている状態になります。入れるのは、たとえば次の場所です。
- 同じフレーズを何回くり返すか迷う場所
- 全員で止まるブレイクの前
- キメ(全員でそろえて鳴らすフレーズ)の前
- 曲の終わり
リハで「ここで迷った」と声が出たところに足していくと、必要な分だけになります。
曲頭のカウントも、イヤモニに出す
曲の頭のカウントも、ドラムのスティックではなくイヤモニに流しています。客席にはカウントが聞こえず、MC から自然に曲が始まったように見えます。
この仕組みを見せたリールは、これまでの投稿でいちばん保存されました。
Instagram でリールを見る
先ほどの画面の一番上にある COUNT が、カウント用の区間です。テンポ120なら2小節で4秒。終わったところから曲が始まります。
1小節目はクリックだけ、2小節目で声で数えると、テンポをつかんでから入れます。
MC明けは、少し食い気味にキューを出す
カウントを入れると、再生を押してから曲が始まるまで数秒かかります。MC が終わってから押すと、その数秒が沈黙になって流れが切れます。
そこで、MC の最後のひと言を聞きながら再生のきっかけ(キュー)を出します。話し終わるころにカウントが終わり、曲が始まる順番です。
どの言葉で押すかは、ボーカルと決めてリハで合わせておきます。
Instagram でリールを見る
MC の間は次の曲の頭で止めて待つのが基本です。曲と曲をつなげたいところは、前の曲の終わりにカウントを重ねておきます。どちらにするかは、曲間ごとにリハで決めます。
テンポが変わる曲、止まる曲
テンポが変わる曲や、途中で止まる曲は、リハの前に決めておくことがあります。
テンポが変わる曲
- オケとクリックを一緒に鳴らして、変わる場所で位置が合うか確かめる
- 急に変わる場所は、直前のガイドで知らせる
- だんだん遅くなる曲は、リハで何回か通して体に入れる
途中で止まる曲
全員で止まるブレイクでも、長さが決まっていればクリックは鳴らし続けます。止まっている間も拍が分かるので、再開がそろいます。
ボーカルの間合いで毎回長さが変わる「ため」は、次のどちらかにします。
- 長さを決めてしまう
- そこで再生を止めて、マニピが手で再開を合わせる
本番で何かあったときに止めるか進めるかも、リハのうちにバンドと決めておくと迷いません。
クリック・ガイド・カウントの作り込みは、慣れないと1曲ごとにかなり時間を取られます。お持ちの音源から、オケとクリック・ガイドを音声ファイルにする2mix は1曲¥3,000、Ableton や Logic を開けばそのまま鳴る DAW完パケは1曲¥10,000です。料金はすべて税込・交通費別です。→ 料金を見る
この仕組み、次のライブから使えます
日程・会場・メンバーの人数を教えてもらえれば、必要なものと費用をお伝えします。機材はこちらで持ち込んで、設営と調整までやります。オケのデータ作りは1曲¥3,000〜、イヤモニは1人¥8,000〜(税込・交通費別)。初回の相談は無料です。
サービスと料金を見る